2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

380−お子様ランチ

福岡で仕事をしている時のお話です。夕食は100%外食で、いろんな食堂やレストランを適当に周っていたのですが月に1〜2度、餃子が美味しいことで有名な大型中華飯店に行っていました。その日も大勢の客でごった返した店内の隅っこで餃子定食をいただい…

379−黄色い蝶

別々の出来事がいくつもの偶然によって一つに繋がった時、それまで漠然と感じていたメッセージのようなものをメッセージとして確信する瞬間があります。画家のNさんは展覧会の準備で忙しいさなかに最愛の母親を亡くし、哀しみの中での制作を余儀なくされま…

378−露天風呂

「思い込み」といえば高校の修学旅行の時にこんなことがありました。その大きな旅館には立派な温泉があるのですが、就寝時間も間近になった頃にH君が「露天風呂に入らないか」と言い出します。その旅館には露天風呂はなかったはずなのですがH君の情報によ…

377−ワインオープナー

集団催眠というものがあるらしいのですが、誰かが意識してそうしたのではなく全くの偶然がそのような状況を作り出すことはあると思います。先日、気の合う仲間数人とカラオケに行った時の話です。そのカラオケボックスは持ち込みが自由と言うことで大量の食…

376−あお

この間、定期検診のために病院に行った時のお話です。全ての検査を終えて会計を済ますために長椅子に座って名前を呼ばれるのを待つのですが、その日は20人位の人が順番を待っていてその中に高校生くらいの女の子の3人組がいました。どうも後の2人は付き…

375−ブランコ

絵に描いたような出来過ぎたシチュエーションというのがあります。夜のワンの散歩の途中にある小さな公園の2つ並んだ赤と青のブランコを見る度に『誰も乗っていないのに揺れていたら怖いだろうな』と毎回思っていたのですが、ついに先日、青い方のブランコ…

374−何が何だか

夕食を終えて義理の兄の家に届け物をした時の話です。たまたま兄はノートパソコンを開き何やら検索をしているのですが最近パソコンを始めたばかりなので上手く検索できないようでした。どうもある歌手動画を検索したいらしいのですが何故かその歌手の名前を…

373−指輪

永年使っている『物』にはそれなりに愛着があるもので、それが常に身に付けている物だったりすると尚更です。不思議なのは自分の持ち物にはあまり感じないのですが、他人の持ち物に限ってその『物』に対する持ち主の想いや記憶のようなものを感じることがあ…

372−幼子

30代の頃に保育園の建物に絵を描いたことがあるのですが、2〜3歳の幼児がメインの保育園なので出来るだけわかりやすく可愛いアニメのような絵を描いてほしいという依頼でした。それまでにそのような絵は描いた事がなかったので少し戸惑いながら何とか完…

371−プレーリードッグ

随分前に従弟のS君の家にお邪魔していた時の話です。居間で雑談をしている最中にS君が「来た、来た」と言いながら突然立ち上がります。どうしたのかと思って見ていると開け放った縁側のサッシから外を覗きながら私を手招きするので何事かと思いながら外を…

370−針の穴

生活をしていく上で当たり前のことはわざわざ『当たり前だ』などと意識することはありません。喉が渇けばコップに水を注ぎそれを飲むわけですが、コップに水を注ぐ時に『水はチャンとコップの中に納まってくれるのだろうか』などとは考えません。ところが何…

369−燐粉

随分前に何かの用事で妹の運転する車の助手席に乗せてもらった時のことです。普通に国道を走っていると突然フロントガラスの真ん中あたりに蝶がぶつかってきました。ぶつかった時に「コトッ」という音がきこえたので結構強くあたったのだと思いますが蝶はそ…

368−共感覚

音に色を感じたり、香りに音を感じたり、ある刺激に対して本来の感覚とは別の感覚が機能することを共感覚と言います。自分もそれを感じることはありますが感じているだけで共感覚者のように見えたり聞こえたりはしていないようです。ところが一度だけ確かに…

367−知ったかぶり

自分としては出来る限り等身大の自分を正直に表現することに努めているつもりなのですが残念ながら人間が出来ていないのでこの年になってもまだ見栄を張ったり知ったかぶりをしたりすることは未だにある訳で、もしかすると逆に年を重ねるほどそういった傾向…

366−青雲

青雲といってもお線香のことではありません。空に浮かぶ青い雲のことですが何故か最近はあまり見かけないように思います。単に空を見る機会が少なくなったからなのかも知れませんが最後に見たのがいつだったのかも思い出せないくらいです。子供の頃はしょっ…