371−プレーリードッグ

随分前に従弟のS君の家にお邪魔していた時の話です。居間で雑談をしている最中にS君が「来た、来た」と言いながら突然立ち上がります。

どうしたのかと思って見ていると開け放った縁側のサッシから外を覗きながら私を手招きするので何事かと思いながら外を覗くとS君の指さす先に何かがいます。

S君が言うには数日前から庭にプレーリードッグが出現するようになり餌付けに成功したのだそうです。

プレーリードッグは決まった時間に現れ、餌を食べてしまうとどこかにいなくなるのだそうです。


おそらくどこかで飼われていたペットが逃げだして野生化したのだろうと言うのですが、花壇の真ん中で魚肉ソーセージの切れ端を両手で持って後ろ足で直立するその生き物はプレーリードッグにしては少し大き過ぎました。

普通プレーリードッグの大きさは精々30センチですがその生き物は50センチを優に超えていて、パッと見、小さなトトロかと思う位の大きさなのです。

その生き物はその後しばらくS君宅を訪れていたそうですが、ある時からパッタリ姿を現さなくなったそうです。

本人は今でもあれはプレーリードッグだと信じて疑いませんが、私は未だにあの大きさには納得がいっていないのです。



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