380−お子様ランチ

福岡で仕事をしている時のお話です。

夕食は100%外食で、いろんな食堂やレストランを適当に周っていたのですが月に1〜2度、餃子が美味しいことで有名な大型中華飯店に行っていました。

その日も大勢の客でごった返した店内の隅っこで餃子定食をいただいていたのですが、食事が終わったのか食事に飽きたのか、5〜6歳の男の子と女の子が店内を走り回っています。

そして私のテーブルの前で立ち止まり、壁に貼られたメニューを端から順番に大声で読み始めたのです。

どうも漢字はまだ読めないようでひらがなとカタカナの部分だけを2人そろって読み上げるのです。

メニューのほとんどが漢字でしたのでまともに読めるものはほとんどなかったのですが、子供のすることですから周りの大人達も和やかな感じで見守っていました。

ところがメニューの後半にひらがなとカタカナで『おこさまランチ』とあったのでその辺にいた大人達はそこだけは唯一チャンと読めるであろうと内心期待して2人がそれを読み上げるのを待っているようでした。

そしてその瞬間はほとんど全員が箸を止めてメニューの方に顔を向けていたのですが、事もあろうに2人そろって『お、こ、さ、ま、う、ン、チ』と読んだのです。

その時、私は生まれて初めてお笑いタレントではない普通の人が口から餃子を『ポンッ』と音を立てて飛ばすのを見ました。


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