367−知ったかぶり

自分としては出来る限り等身大の自分を正直に表現することに努めているつもりなのですが残念ながら人間が出来ていないのでこの年になってもまだ見栄を張ったり知ったかぶりをしたりすることは未だにある訳で、もしかすると逆に年を重ねるほどそういった傾向が強くなっているのかも知れません。特に妻の前ではそれが顕著に表れてしまいます。

この間も郊外の大型ショッピングモールで買い物中に自転車用品のお店を覗いた時に悪い癖が出てしまいます。

最近運動不足ということもありロードバイクでも始めようかと考えていた矢先だったので自転車に関して少々知識があったものですから良い気になって店内の自転車用品のグッズを片っ端から妻に説明して歩いていたのですが、それはヘルメットのコーナーで起こります。


最近は自転車にも専用のヘルメットがありロードバイクのヘルメットは流線型のエイリアンみたいな派手なデザインですので被るのにチョット抵抗はあったのですが知ったかぶりの私はヘルメットを被らずにそのコーナーを素通りすることなど出来なかったのです。

派手目のヘルメットを何個か被って見せてその中でも一番高価な現代アートのようなデザインの真っ赤なヘルメットをかぶっていい気になって妻に軽さや流線型の意味を説明している時です。

ゆっくり近づいてきた店員が申し訳なさそうに私に言うのです。


「お客様、出来ればヘルメットは逆に被られた方が…」そうなのです。私はヘルメットを前後逆に被っていたのです。

後頭部の方に長くなければならなかったのが、長い部分が前方になっていたものですからマンガのドラえもんに出てくるスネ夫の様になっていたのです。

見切り発車の知ったかぶりはそれなりのリスクが伴います。



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(カテゴリー別に話を分類した不思議な話(ニーマンのピク詰め)のHP版を開設しました)