326−タマタマ
『虫の知らせ』と言うほど大げさではなく『偶然』と言えるほどスマートでもないポジションに『タマタマ』という領域がありますが、その日、従弟のS君の家を訪ねたのはタマタマでした。
午後から床屋に行ったついでにチョット足を延ばしてホームセンターで買い物をし、ついでに100円ショップに寄った帰りに近道をしようと裏道を走っていた時に、ここ半年ほど顔を見ていない従弟のS君の家が近い事をタマタマ思い出します。
まだ夕方の5時でしたからまだ仕事から戻ってはいないだろうと期待はせずに寄ってみるとタマタマその日は仕事が早く終わったという事でS君は家に居ました。
リビングとキッチンが一緒になった居間でお茶を頂くのですが、何だか焦げ臭いのです。
場所は特定できないのですが何処かで何かが燃えている臭いがするのですが不思議なことにS君は全く臭わないと言います。
気になってはいたのですが家主が気にならないと言うのですからあまりしつこく言うのもなんだと思いその事には触れないでいたのですが、タマタマ食器棚に小皿を取りに行った時に焦げ臭さの元が冷蔵庫の裏である事を特定してしまいます。
S君と2人で冷蔵庫をどかしてみて驚いたのは壁のコンセントのソケットの上部の壁が真っ黒に焦げていたからです。
壁は触るとかなりの熱を持っており、プラスティックのコンセントは熱で変形していました。
もう何年も掃除をしていないと言うことでコンセントの隙間にホコリが貯まり、そこが熱を持っていたのです。
危ない所だったと2人で胸を撫ぜ下ろした次の瞬間でした。
何とコンセントから火花が飛んで目の前で壁が燃えだしたのです。
慌てて消しはしましたが、もしタマタマがなければどうなっていた事かと考えるとゾッとしました。
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